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土井 優妃乃(Yukino Doi)

執筆者の写真: ATAインスティテュートATAインスティテュート

更新日:2020年5月26日


学校名:宮城教育大学

初等教育教員養成課程 2年生

名 前:土井 優妃乃(Yukino Doi)

留学プログラム:短期留学 教育実習日本語アシスタント教師

留学国:オーストラリア

留学期間:2020年2月~2020年3月 17日間



 今回のオーストラリア短期留学教育実習は私にとって2回目の留学であった。高校2年生の時に研修としてニュージーランドに10日間滞在し、ホームステイと現地の生徒との交流をした。初めての海外で、何から何まで新鮮であった。その10日間はとても楽しかったが、英語が話せないことで言いたいことが言えず、つらい思いもした。休日にどこに行きたい、これが食べたいなど、伝えたいことを我慢して過ごした。とても悔しかった。そのため、今回そのリベンジとしてオーストラリアに留学したいと思った。また、大学や英会話教室で外国の方々と接するうちに、日本語教育に興味を持つようになったので、このプログラムは今の私にピッタリであると思い参加した。

 オーストラリアでの2週間はとても充実していた。平日はALTのような形で日本語の授業のアシスタントをし、放課後は様々な場所に出かけた。一人でバスに乗りカプチーノ片手に買い物をしたり、ホストバディーのケイラとアイスクリーム屋さんに寄り道したりした。一人でスーパーマーケットに行ってみたいと思い、雨の中片道30分かけて歩いて行ったこともあった。ホストマザーと一緒に夕食の準備をすることも多かった。ホストファミリーは仕事、ケイラは勉強していたので、一人で行動することが多かった。だが、こうしたことで学んだことはたくさんあった。休日はマザーとケイラと様々なマーケットに行ったり、日本人の友達とツアーをしたりして過ごした。このままオーストリアに住みたいと思うほど、本当に楽しかった。

 現地の日本語の授業で、私は多くのことに驚いた。生徒が積極的に手を挙げ質問をし、授業を楽しんでいた。先生が黒板に板書しそれを写す、日本の教育とは全く異なっていた。近年日本の教育もだんだんと変わってきているが、オーストラリアではその見本となるべき授業が行われていた。また、日本に興味を持ってくれていること自体がとてもうれしく、自国のことをもっと知り伝えていきたいと思った。

 この2週間は楽しいことがほとんどであったが、大変なことも多くあった。まず、Wi-Fiが家の外で使えなかった。本当は日本の携帯会社の海外Wi-Fiプランを利用しようと考えていたが、初日にうまく設定できず、家のWi-Fi下でしか調べものができなかった。日本に帰ってから高額請求が来るのが怖かったので常に機内モードにし、外に出かけるときは、目的地とバス停、バス時間を家で調べスクリーンショットし、それを使っていた。だが、もちろんスクリーンショットは道案内をしてくれず、自分が今どこにいるのか全く分からなかった。そのため、とにかくたくさんの人に道を尋ねた。なかには、自分の携帯を使って調べてくださる方、見ず知らずの私を車で送ってくださった子どもずれの女性もいた。

 バスに乗ることも一苦労であった。自分が乗らなくてはならないバスを家で調べたが、そのバス停や路線が見つからないことがほとんどであった。そしてまた周りの人に声をかけ、一生懸命家に帰ることのできるバスを探した。

 バスに乗ってからも日本との違いに苦戦した。オーストラリアのバスは「次は○○前~」などといったアナウンスはない。ここだ!と思った時にピンポーンと押さなければならない。ブリスベンに初めて訪れた私には、今どこを通っているのかなどわからなかった。そのため、様々なバスに乗るたびに運転手さんに「○○に行きますか?」という確認と、「○○についたら教えてください」とお願いをした。隣に座っていた人にも同様の質問をした。私が声をかけた方々は、誰一人嫌な顔一つせず、笑顔で親切に道や目的地を教えてくださった。現地の方々のやさしさで、私は何とかホストマザーに電話をすることなく、自力で家に帰ることができた。毎日ある意味サバイバルであった。1週間ほどたってから、Wi-Fiが繋げなかった理由が分かったが、これまで何とかWi-Fiなしで生活できたのだから、残り1週間もこのチャレンジを続けることにした。

 最もつらかったことは、一番最後の授業である。その授業は、日本語の先生が不在であったため、他の教科の先生が2人代わりに来てくださった。だがもちろん、その先生方は日本語を話すことができず、授業ができるのは前日に授業を任せられた私しかいなかった。私は現在大学の教育学部に在籍しているが、まだ授業の仕方も教わっていないし、教育実習も経験していない。しかも、生徒たちは金曜日の最終授業で疲れていて、早く帰りたいというオーラを出している。どうしようどうしよう、ずっとそう思っていた。授業中にたくさんのミスを犯し、そのたびに生徒たちから「大丈夫だよ」と励まされた。私はついに授業中に泣いてしまった。教える立場として、あってはならないことだ。授業が終わった後、授業の手伝いをしてくださった先生方は、私がまだ19歳であることを伝えるととても驚き、そして私を褒めてくださった。大変であったが、とてもいい経験になった。またリベンジすることが増えた。



 この留学で最も学んだことは、「やってみる」ことの大切さである。この2週間で私は何度も挑戦をした。小さなことでも難しそうなことでも、まずやってみようと思い挑戦してきた。やってみたら案外うまくいったこともあれば、やってみて想像よりはるかに大変だったこともあった。だが、今の自分に何ができて何ができないのかは、それをやってみなければわからない。私はこのオーストラリアでの貴重な2週間の間に、できるだけ多くのことを経験し、少しでも成長しようと思った。実際、挑戦してみて学んだことは数多くあり、これらが、楽しかった!帰りたくない!と思ったことにつながっている。

 この思い出は、これからの人生の軸としてずっと心の中にあり続けると思う。私は将来海外に住んでみたいと思っている。まだ英語での会話がうまくできないけれど、わからないことだらけの中で様々なことを積み重ね、自分の成長を実感することがとても楽しく、これから先ずっとこうできたらいいなと感じた。大学を卒業した後、日本の企業に就職するであろう友達とは異なり、異国の地で生活するかどうか、これは人生の最も大きな選択になると思う。自分が本当にそうできるかは分からなく、正直不安のほうが大きい。だが、まずはやってみないとわからない。一度きりの人生、自分の好きなように過ごしてみたい。

オーストリアに留学できて本当に良かった。 END

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